最近、AIやロボットの話題を目にしない日はない。
ChatGPTをはじめとする生成AI、自動運転技術、人型ロボットの開発競争。子どもの頃に見たSFの世界が、少しずつ現実になりつつある。
そんな時代だからこそ、私は1993年放送の特撮作品『ジャンパーソン』を改めて見てみようと思った。
今見ると意外なほど先進的なテーマを持った作品だった。
変身しないヒーローという異色作
特撮ヒーローといえば、主人公が変身するのが当たり前だ。
『キカイダー』にはジローという人間体があり、『超人機メタルダー』にも人間体が存在した。
メタルヒーローシリーズを代表する『宇宙刑事ギャバン』も、烈という青年が蒸着してヒーローになる。
しかしジャンパーソンは違う。
主人公そのものがロボットなのだ。
石ノ森章太郎原作の『ロボット刑事』という先輩作品も存在するが、私は世代ではないため詳しく見たことはない。ただ、帽子とジャケットを着たロボット刑事Kが活躍していたことは知っている。
1980年代前半には『ギャバン』が大ヒットし、メタリックなヒーローデザインは一世を風靡した。
海外では1987年に映画『ロボコップ』が公開され、機械の身体を持つ警察官という設定が話題になった。
一方で、東映のメタルヒーローシリーズは宇宙刑事三部作以降、試行錯誤の時代に入る。
『ジャスピオン』『スピルバン』『ジライヤ』『ウインスペクター』『ソルブレイン』『エクシードラフト』など、それぞれ魅力はあったものの、「宇宙刑事」という巨大な成功を超える新たな柱を模索していたように思う。
そんな中で登場したのがジャンパーソンだった。
変身しない。
人間体もない。
ロボットそのものが主人公。
当時としてはかなり思い切った作品だったと思う。
ドラマパートが独特に面白い
主人公が人間ではないため、ドラマの作りも独特だ。
普通のヒーロー番組なら主人公の日常や人間関係が描かれる。
しかしジャンパーソンにはそれがない。
代わりに毎回登場する刑事たちやパトカーが人間側の視点を担当する。
ジャンパーソン自身は、事件が起これば現れ、悪を裁く存在として描かれる。
フェイスガードを装着していない場面では、ジャンパースーツのような服を着ており、いかにも「ロボットが社会に紛れている」という雰囲気が出ている。
この少し不自然で、しかし妙にリアルな空気感が面白い。
AIやロボットが社会に溶け込む未来を考えると、今見るとむしろ時代を先取りしていたようにも感じる。
第6話「さまよう冷凍男」
今回視聴したのは第6話「さまよう冷凍男」。
物語は冷凍倉庫で事故に遭った男が、一年後に解凍されるところから始まる。
しかし彼は普通の人間ではなくなっていた。
悪の科学組織「スーパーサイエンスネットワーク」によって改造され、周囲のものを凍らせる能力を持つ怪人「アイスマン」になってしまう。
被害者でありながら加害者でもある。
このあたりは90年代特撮らしい悲劇性がある。
ジャンパーソンは当然彼を止めようとするが、予想外の展開が待っていた。
アイスマンの冷凍攻撃が予想以上に強力だったのだ。
ジャンパーソンは身体を凍結され、一時的に行動不能に陥ってしまう。
普段は圧倒的な強さを見せるジャンパーソンだけに、このシーンはかなり印象的だった。
しかし、ここからの逆転劇が面白い。
ジャンパーソンは近くで燃えている車にワイヤーアームを撃ち込み、自らの身体を引き寄せる。
そして炎の熱で凍結を解除。
一気に反撃へ転じるのだ。
単純な力押しではなく、周囲の環境を利用してピンチを脱出する展開は実にヒーローらしい。
そして最後はアイスマンを撃破。
悲しいことに、アイスマンはそのまま水となって消滅してしまう。
どこか哀愁の残る結末だった。
AI時代にこそ見直したい作品
1993年当時はまだインターネットも普及していなかった。
もちろんChatGPTも存在しない。
それでも『ジャンパーソン』は、「人間と機械はどう共存するのか」「機械に正義はあるのか」というテーマを描いていた。
今、私たちはAIと共に働き、学び、遊ぶ時代を生きている。
だからこそ、30年以上前に作られたこの作品が妙に新鮮に感じられる。
変身しないロボットヒーロー。
感情を持つ機械。
科学技術の光と影。
AIが当たり前になりつつある2026年だからこそ、『ジャンパーソン』を見返してみる価値はあるのではないだろうか。

1993年にはビデオデッキで録画するしかなかった作品を、2026年の私はAmazon Primeのマイヒーローで好きな時に視聴している。ジャンパーソンが描いた未来だけでなく、視聴スタイルそのものも未来になった。
スカパーも候補に入れていたが、昔のTVみたいに時間を合わせたり録画するのが面倒なので、加入は辞めることにした。最近はオンデマンドサービスもあるようなので、TV大好きな人はいいと思う。


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