「鳴った、受けた、詰んだ」フードデリバリーで片道5km以上の大遠征を強制イベントにされた話

配達トラブル

どうも、日々街を駆け抜けるデリバリー配達員 Nightcentsです。

デリバリーをやっていると、誰しも「絶対に踏んではいけない地雷案件」というのを持っていますよね。私にとってのそれは、「勾配の物凄い激坂案件」。

普段なら、画面(ロケットナウ)に表示されるマップのピンを見て、「あっ、これあの心臓破りの坂の上だな」と察した瞬間に光の速さで拒否ボタンを押します。私の脚力とメンタルは有限ですから。

しかし、その日は違いました。

悪魔の囁き、それは「3件完了でボーナス発生1500円」のキャンペーン。 現在2件完了。あと1件、あと1件さえクリアすれば、私は勝利者になれる――。

その時、スマホがけたたましく鳴り響きました。 画面に表示されるカウントダウン。私はピンの位置を確認することすら忘れ、無条件で画面をタップしてしまったのです。

これが、すべての絶望の始まりでした。

第一の試練:電動自転車 vs 重力を忘れた激坂

商品をピックアップし、ナビを開始した瞬間に体温が2度下がりました。 ルートの先にあるのは、普段なら親の仇のように避けている「あの激坂」。全長210m 平均4.4度、丸い凹型の滑り止めを見ると気分が下がる坂です。

「まぁ、私には文明の利器(電動自転車)があるし!」

と強がってみたものの、いざ坂に突入すると、電動アシスト機能が「これ以上は無理っす」と悲鳴をあげているのが伝わってきます。立ち漕ぎをしても一向に進まない車体。太ももはプロレスラー並みにパンパン。

「これ、実質登山では?」

前世でどんな大罪を犯したら、背中に料理を背負いながら、夜中にチャリで登山をさせられるのでしょうか。しかし、ここで諦めたらキャンペーンは水の泡。白目を剥き、歯を食いしばり、なんとかその激坂を登りきりました。

達成感で涙がこちょちょに滲む私。しかし、本当の地獄(ロング案件)は、坂の向こう側で口を開けて待っていたのです。

第二の試練:ようこそ、街灯なき「未開の奥地」へ

坂を越えたらあとは下って終わり……なんて甘い世界ではありませんでした。 ナビが示すルートは、どんどん「県の奥地」へと私を誘(いざな)っていきます。

走っても、走っても、景色が変わらない。というか、景色が見えない。

  • 街灯がめちゃくちゃ少ない(ほぼ闇)
  • 沿道のお店がガチでゼロ(コンビニの明かりが恋しい)
  • 道がなぜかボコボコ(アスファルトの反抗期)

気づけば、私は都会の配達員から、「深夜のラリーレーサー」へと強制的にジョブチェンジさせられていました。ボコボコの暗闇ルートで料理をシャッフルするわけにはいかないので、全神経を集中させてチャリをコントロールします。

「真っ暗闇の中、私は一体、どこへ向かっているんだ……?」

最終決戦:Googleマップの裏切りと、闇に浮かぶ要塞

そんな極限状態の私に、さらなる絶望が追い打ちをかけます。 デリバリー配達員の相棒であり、時に最大の敵となる「Googleマップ」の裏切りです。

ナビ通りに進んだ先、ガード下をくぐろうとしたら―― まさかの「通行止め」の看板。

「嘘だろ、Google先生……!!」

夜中の田舎道で、強制的に大遠征(ルート変更)が確定した瞬間でした。 迂回路として提示されたのは、もはや道ですらないアップダウンの激しい「獣道(けものみち)」

一歩間違えれば闇に消えるスリルの中、低速で、慎重に、一歩一歩クリアしていきます。サバイバル能力がガリガリ削られていく音が脳内で響きます。

そして、その獣道をようやく抜け、ついに目的地に到着しました。

真っ暗闇の中にドーンと現れたのは、やたらとデカいアパート。 周囲が静寂と闇に包まれているせいで、その姿はまるでラスボスの要塞。

救いだったのは、闇の中にアパート名だけが「これでもか!」という大文字で神々しく書かれていたことです。迷う余地すら与えないその主張の激しさに、本日初めての安心感を覚えました。

まとめ:無事(?)生還

お客様に無事、1mmの崩れもなく商品を丁寧にお届けし、私の大冒険は幕を閉じました。 もちろん、3件目のキャンペーン報酬はゲット。

しかし、帰り道。 充電が12%に減りかけた電動自転車にまたがり、再びあの暗闇と坂を越えて帰る時の「賢者タイム」は筆舌に尽くしがたいものがありました。更に、川沿いを進んでいたら行き止まりに当たってしまい階段しかなかったので、力技で自転車を階段で持ち上げました。

教訓:キャンペーンの魔力に負けても、画面のピンだけは1秒確認しよう。

みなさんも、夜のロング案件とGoogleマップの「通行止めトラップ」にはくれぐれもお気をつけください!

コメント

タイトルとURLをコピーしました